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第28代校長  土 居 清 成


校長先生のことば

人間のもつ可能性の開発をめざす教育
−−−楽しく学び、主体的に活動する網干の子の育成−−−

 本校の体育館には、昭和30年の学校創立80周年記念講演の講師、湯川秀樹博士の「真実寛容」の額が掲げられている。また、運動場に面して、創立100周年記念事業として、南原繁博士の直筆「自主創造」を刻んだ石碑が立っている。そして、平成4年には創立120周年記念誌「120th、ふるさとの軌跡  網干の歴史と文化財」が発行された。
 地域に根ざし、常に不易と流行の両面から教育課題の解決に取り組んできた。
 120年余りの歩みは、豊かな人間性と創造性の育成であり、人間のもつ可能性の開発をめざす教育活動である。
 この、1世紀以上に渡る、熱心で着実な取り組みは、本校教育の底に流れる大きな力となっている。

一人一人の特性を伸ばし、自主的な活動をうながす工夫
       −−本校の教青理念と全校的な取り組み−−

 個性や能カに差のある子ども達が、「本当に学校が楽しいと感じて欲しい。主体的に活動して欲しい。豊かな人間性を身に付けて欲しい。」というのが、我々教職員共通の願いである。
 「夢を持ち、語り合い、行動し、そして、生きがいを実現したい。」を合言葉に、多様な教育活動の展開に努めている。

  @  教育基本計画の設定
 本校では、「激しく変化していく社会の中で、主体的に生き抜く、知・徳・体の調和のとれた活カある児童の育成」を教育目標に掲げ、「楽しく学び、主体的に活動する網干の子の育成」に努めている。
 本年度は、教育基本計画として、「教育目標−学校経営基本方針−学校運営基本方針−教育実践重点項日−教育実践のベース」を構造図で表記し、重点項自ごとにキーワードも設定した。
 この教育基本計画は、教育目標が、実際の教育活動に具現化するための方策であり、全教職員が、本校のめざす教育に向けて一丸となって取り組むための基本となるものである。例えぱ、最重点項目の中の「学級経営の充実」をめざし、各学級ごとに学級経営案を作成した。そして、学級目標を設定し、仲間づくり、学級づくりに創意工夫した取り組みを行っている。

  A 表現力を高め、個を生かす教育実践
 本校では、自分の考えが、自分のことぱではっきり言える子の育成に取り組んでいる。「読み合い、聞き合い、語り合い」を全校の共通目標にかかげ実践している。一人の人間としての自覚を持ち、親や社会に依存した人間ではなく、自立した人間を育成することにつながるものと考えているからである。
 そのために正しい発声や発音で朗読するための基盤として「朝の国語」を全校で実施したり、1学期は学年、2学期は全校、3学期は各クラス単位でと、計画的に音読会を実施したりしている。また、ポランティアを招いて、物語等の話を聞かせて頂く「ストーリテリング」も行った。すぱらしい話し方に接する中で、より自らの表現力を高めていこうとする意欲の高揚にもなっている。
 また、国語科の学習指導においては、平成6年度より継続して「国語科単元学習」の授業づくりに取り組んでいる。
 そして、国語科と理科、生活科との関連をはかった「総合単元学習」の授業づくりも目指している。さらにコンビュータ、ビテオを活用したりPTAの方の協力を得たりしたTT方式の授業づくりにも取り組んでいる。

  B  体験や活動、そしてふれ合いを重視した教育活動
 体験を通して得た知識は生きて働く知恵となる。また、自然や地域、人とふれ合う体験活動は、感動体験となり、豊かな感性と問題解決能カを育む。そこで、教科指導の中で体験活動を重視した、地域学習を精極的に行っている。幸い、校区には、網干港として栄えた中世の貴重な文化遺産が多数あり、播磨灘の自然や協カ的な地域住民など、教育環境に恵まれている。また、幼稚園児、たけの子学級(障害児学級)とのふれ合い給食をはじめ、兄弟ペアー学級など、異年令の友達とのふれ合いの場を設けたり、老人会、婦人会など、地域の人達とのふれ合いの場を設けたりしている。
 こうしたふれ合いによる教育活動は、人としてのやさしさや思いやりの育成、人間関係づくりに大いに役立っている。

  C  生き生きと活動する児童会活動
 「サマンサ」がやって来る。アメリカと日本の人形による交流が、72年ぶりに復活することになり、ミズーリ州の小学校より「サマンサ」と名付けられた人形が、網干小学校に贈られることになった。その歓迎会を集会委員会が受け待ち、“手づくりの旗”“手づくりの地図”を作ろうと色々なアイディアを出し、すぱらしい歓迎会を行うことができた。
 6月には、“網小まつり”と名打って、兄弟ペアー学級ごとにお店を出す集会を行った。
 ボールすくい、ポウリング、イライラ棒におぱけ屋敷、子ども達は準備に熱中し意欲的に活動できた。特に集会の前日は、教師が時間を忘れて準備している子ども達を、帰らせるのに困るほどであった。
 代表委員会の中で、お店をまわる方法を話し合っている時、4年生のAさんが、円形の回数券を提案し、教師も子ども達の頭の柔らかさ、発想のすぱらしさに改めて驚かされた。
 特別活動や教育課程外の活動場面においても、自らの個性を生かし意欲的に取り組み、それぞれの活動の中で自分らしさを発揮している。

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